読売の不祥事と球団の対応の年表 - 2008 年のドーピングからオンラインカジノまで、処分と否定の記録

答え - 処分を公表した件、否定した件、処分の発表が無い件

2008 年以降、読売の選手とコーチが関わった不祥事や私生活の報道に対し、球団の対応は 3 つの型に分かれる。球団が自ら調べて処分を公表した件、報道に否定や抗議の文書で応じた件、処分の発表が無いまま終わった件である。この記事は、一次の資料で確かめられる件を 1 本の年表に並べる。

読売の不祥事と球団の対応 (2008 年以降)
年月対象件球団の対応
2008 年 5 月ゴンザレスドーピング違反解雇を決定
2008 年 7 月二岡智宏私生活の報道昇格見送りと謝罪
2012 年 6 月原辰徳1 億円の支払い文藝春秋を提訴
2012 年 8 月阿部慎之助交際の報道広報部が否定
2013 年 3 月杉内俊哉合宿中の女性問題厳重注意と罰金
2015 年 10 月福田ら 4 投手野球賭博オーナーらが辞任
2016 年 3 月円陣の選手声出しの現金授受慣行を禁止
2017 年 8 月山口俊病院での暴行出場停止と罰金
2018 年 7 月柿澤貴裕用具の窃盗契約解除
2018 年 7 月篠原と河野裸の動画の投稿出場停止と罰金
2019 年 5 月澤村拓一暴行の報道厳重注意と謝罪
2019 年 10 月鈴木尚広シリーズ前の退団一身上の都合と説明
2020 年 6 月原辰徳賭けゴルフの報道事実無根と抗議
2021 年 8 月中田翔出場停止中の獲得無償トレード
2022 年 6 月坂本勇人2018 年の件の報道処分の発表なし
2023 年 4 月オコエ瑠偉組員が居た飲み会交際に当たらず
2025 年 2 月オコエと増田オンラインカジノ制裁金、地検は不起訴
2025 年 4 月坂本勇人申告漏れ悪質でないと説明

既存の記事で詳しく扱っている件は、年表の 1 行とリンクにとどめる。否定、示談、不起訴、処分なしの事実は、その件の記述に必ず並べる。

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2008〜2013 年 - ドーピングの解雇から、合宿中の女性問題の罰金まで

2008 年 4 月 30 日の広島戦の後の検査で、ルイス・ゴンザレスの検体から興奮薬の禁止物質 3 つが検出された。NPB は 5 月 26 日に 1 年間の出場停止を科し、球団は同日に解雇を決めた。本人は摂取を全面的に否定した。

2008 年 7 月 10 日、選手会長の二岡智宏と女性との関係を週刊誌が報じた騒動の中で、一軍昇格が見送られた。吉村禎章 二軍監督は「走るスピードが本来の速さまできてない」と説明したが、滝鼻卓雄オーナーは同日「チームを代表して、心からおわびします」と謝罪し、騒動が見送りの一因かと問われて「あるかもしれない。選手会長だからね」と答えた。11 月 14 日には、二岡と林昌範を北海道日本ハムへ出す 2 対 2 の交換トレードが発表された。清武英利 球団代表は「出場機会を考え、新天地に放つ決意をした」と説明した。処分としての発表ではなかった。

2012 年 6 月には、原監督が 1988 年の女性問題に関わって 2006 年に 1 億円を支払っていたと週刊文春が報じ、原は謝罪した。読売巨人軍は文藝春秋を訴え、2016 年に敗訴が確定している (原辰徳 1 億円問題の記事)。8 月には阿部慎之助と女性タレントの交際を NEWS ポストセブンが報じたが、球団広報部は交際の事実はなく友人の 1 人だと回答した。処分は無い。

2013 年 3 月 7 日、球団は杉内俊哉に厳重注意と罰金 (額は非公表) を科した。2 月の WBC 日本代表合宿中に宿舎で女性と密会したと、翌日発売の週刊誌が報じることを受けた処分である。原沢敦 球団代表兼 GM は「厳重注意で済む話ではない」と述べ、罰金は「小さい額ではない」とした。

2015〜2018 年 - 球団が自ら調べ、処分を公表した件

2015 年 10 月からの野球賭博では、福田聡志、笠原将生、松本竜也の 3 投手が無期失格、高木京介が 1 年失格となり、球団に制裁金が科され、オーナーら 3 人が辞任した (読売選手の野球賭博事件の記事)。2016 年 3 月には、円陣で声を出した選手が勝敗に応じて現金を受け取る慣行が明らかになり、球団が禁止した (円陣の声出しの現金授受の記事)。

2017 年 7 月 10 日夜から 11 日未明、山口俊は誕生日の会で右手を負傷し、治療先の病院で警備員と口論になって全治 2 週間のけがを負わせ、ドアも壊した。警視庁から傷害と器物損壊の両容疑で事情を聴かれたが、警備員と病院とは示談が成立し、被害届は取り下げられた。球団は 8 月 18 日に調査結果を公表し、2017 年シーズン終了までの出場停止と、トラブルの日以降の報酬に相当する額の罰金と減俸を科した。石井一夫 球団社長は「球団社長として深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

日本プロ野球選手会は 8 月 28 日、処分が重過ぎるとして再検討を求め、コミッショナーに調査と裁定を要求した。球団広報部は「山口俊投手に対する処分は妥当と考えています」と応じた。山口は 2016 年のオフに FA で DeNA から加わった投手である。

2018 年 7 月 7 日、球団は 2 つの処分を出した。柿澤貴裕は、同僚らの用具約 110 点をジャイアンツ球場のロッカー室から盗んで売っていたことが球団の調査で分かり、契約を解除された。篠原慎平と河野元貴は、6 月に飲食店の個室で篠原が服を脱ぎ、河野が撮った動画をフォロワー限定で公開した件で、期限を定めない出場停止と、7 月以降の参稼報酬の 20 % に当たる罰金 (推定で河野 約 70 万円、篠原 約 145 万円) を科された。同じ会食に同行した主将の坂本勇人も 7 月 6 日に厳重注意を受けた。撮影の時には店を出ており騒動には関与していないが、球団は「シーズン中に騒ぎを起こすような飲み会に同行していたことはキャプテンの自覚を欠く行為」とした。

2019〜2021 年 - 文書での回答、一身上の都合の退団、報道への抗議

2019 年 5 月 7 日発売の週刊アサヒ芸能は、澤村拓一が 4 月中旬にビルのエレベーター内で男性に暴行したと報じた。球団広報部は翌日、J-CAST ニュースに文書で回答し、本人が酒に酔って乗り合わせた人の首のあたりを片手でつかみ、数秒間 壁に押し付けたと認めた。本人を厳重に注意し、相手への謝罪で話し合いは円満に終わったとして、「球団としても改めてお詫びいたします」と結んだ。罰金や出場停止の発表は無い。

2019 年 10 月 16 日、球団は一軍外野守備走塁コーチの鈴木尚広の退団を、本人からの「一身上の都合」による申し入れを了承したとして発表した。日本シリーズの開幕の 3 日前で、同じ日に私生活をめぐる報道が出た。解雇や懲戒としての発表ではない。

2020 年 6 月 24 日、球団は、翌日発売の週刊新潮が原監督の「賭けゴルフ」を報じると把握し、記事は「荒唐無稽な事実無根の内容で構成されている」として新潮社に厳重に抗議し、記事の取り消しと謝罪文の掲載を求めたと発表した。発表文は「そのような事実は一切ありません」と記す。

2021 年 8 月には、日本ハムで出場停止の処分を受けていた中田翔を無償トレードで獲得し、処分は移籍で事実上解けた (中田翔の無償トレードの記事)。

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2022 年以降 - 処分の発表が無い件と、オンラインカジノ

2022 年 6 月 15 日、デイリー新潮は、坂本勇人が 2018 年 2 月に宮崎市内の飲食店で接客していた女性にけがをさせ、550 万円を支払ったと報じた。9 月には元交際相手との問題も報じられた (坂本勇人の記事)。坂本は 11 月末の契約更改で年俸 6 億円の現状維持で合意し、球団による処分の発表は無かった。

2023 年 4 月 26 日、警視庁は、2022 年 12 月の飲み会で知人男性に重傷を負わせたとして住吉会系の組員を逮捕した。オコエ瑠偉はファンサービスを頼まれて飲み会に加わり、事件の時には店を出ていた。組員と面識はあったが「暴力団員との認識はなかった」と説明し、球団は「反社会的勢力との交際、交友には全く当たらないと判断しました」とした。

2025 年 2 月 20 日、球団がオンラインカジノの利用者に自主申告を呼びかけた直後、オコエと増田大輝が名乗り出て自首を申し出た。警視庁は 5 月 8 日に 2 人を賭博の疑いで書類送検し、球団は 2 人が「12 球団で申し合わせた上限いっぱいの制裁金の支払いも異議なく受け入れています」とした。東京地検は 6 月 26 日に 2 人を不起訴とした。関与は 8 球団の計 16 人に及び、それぞれ所属球団から制裁金を科されていた。

2025 年 4 月には、東京国税局が坂本に 2022 年までの 3 年間で約 2 億 4,000 万円の申告漏れを指摘していたと報じられた。追徴税額は約 1 億円で修正申告を済ませ、重加算税は課されなかった。読売巨人軍は「悪質な申告漏れや所得隠しではない」とコメントした (プロ野球選手の脱税と申告漏れの記事)。

見解 - 揃わない処分の重さと、報道への応じ方の違い

並べると、処分の重さは揃って見えない。若手の篠原と河野は期限を定めない出場停止と報酬の 20 % の罰金を受け、FA で加わった山口は選手会が重過ぎると抗議するほどの処分を受けた。一方、主力の坂本は 2018 年の件が報じられた後も処分の発表が無く、契約更改は現状維持だった。件の中身も確かめられた範囲も違うので、これをひいきと断定はできない。ただ、どの件にどの重さを当てたのか、その物差しは発表からは読み取れない。

応じ方にも型の違いがある。2012 年の阿部と 2020 年の原の報道には、球団はすぐに否定や抗議で応じた。阿部の件では広報部が交際を否定し、原の件では雑誌の発売の前日に事実無根と抗議した。処分を伴う件では、球団は自ら調べた結果を公表する。2017 年の山口と 2018 年の柿澤は、どちらも球団の調査として経緯と処分が示された。

2015 年から 2016 年に野球賭博で制裁を受けた球団から、2025 年にオンラインカジノの利用者が 2 人出たが、8 球団の 16 人のうちの 2 人であり、この事実から賭博事件との因果は言えない。

読み方と限界

この年表は、球団の発表、NPB の通知と公示、新聞と雑誌の記事本文で確かめられた範囲で作った。私生活の報道は、報道の内容と球団の応答を組で示し、否定、示談、不起訴、処分なしがある件はそれを併記した。報道が伝えた疑いを、確かめられた事実より強く書かないためである。

相手の女性や被害者、組員の氏名、報道の詳しい中身、制裁金の額、確かめられなかった後の経過 (逮捕の有無や出場停止の解除日) は載せていない。

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