概要
コミッショナーは、NPB (日本野球機構) の最高責任者であり、12 球団のオーナー会議によって選任される。リーグ全体の運営方針の決定、公式規則の制定・改正、球団間の紛争調停、選手の処分など、プロ野球の統治に関する広範な権限を有する。コミッショナー制度は MLB に倣って 1951 年に導入された。MLB のコミッショナーが「野球の最善の利益」のために強力な権限を行使できるのに対し、NPB のコミッショナーは歴史的にオーナーの意向に左右されやすく、独立性の弱さが指摘されてきた。特に 2004 年の球界再編問題では、コミッショナーがオーナー側と選手会側の対立を調停できず、史上初のストライキに至った経緯がある。この出来事は、コミッショナーの権限と独立性のあり方について根本的な問いを投げかけた。歴代コミッショナーの多くは財界人や法曹界の出身者が務めており、野球界の内部から選出されることは稀である。これは中立性を担保するための慣行とされるが、野球の現場を知らない人物がトップに立つことへの批判もある。コミッショナーの役割は、球団の利害を超えてプロ野球全体の発展を図ることにあるが、その理想と現実の間には常に緊張関係が存在する。