概要
ワンポイントリリーフとは、特定の打者一人 (または数人) を抑えることだけを目的として中継ぎ投手を登板させる起用法である。最も典型的なのは、相手の強力な左打者に対して左投手を投入するケースであり、左対左の有利な対戦を作り出すことで失点リスクを最小化する戦術である。NPB ではワンポイントリリーフは長らく一般的な戦術として用いられてきた。試合終盤の重要な場面で、相手の主軸打者一人を抑えるためだけに投手を交代させ、その打者を打ち取った後にすぐ次の投手に交代するという運用は、日本の緻密な野球の象徴でもあった。しかし、MLB では 2020 年から「3 バッター・ミニマム・ルール」(投手は最低 3 人の打者と対戦しなければ交代できない) が導入され、ワンポイントリリーフは事実上禁止された。このルール変更は試合時間の短縮を目的としたものであり、投手交代の頻度を減らすことでテンポの改善を図った。NPB では現時点でこのルールは導入されていないが、将来的な導入の可能性は議論されている。ワンポイントリリーフの是非は、戦術の多様性と試合のテンポのバランスという、現代野球の根本的な課題を映し出している。